Q6.メンバーが公平感を感じる職場の生産性は高いのか?

 
Q. メンバーが公平感を感じる職場の生産性は高いのか? 
A. Yes 情報の共有が図られ、メンバーが公平感を感じていると営業成績が高まる

 
組織の中で一部のメンバーにしか情報が伝えられない、重要な情報を一部のメンバーだけが知っているという状態は職場の雰囲気を悪くするだけでなく、目標の共有が図られないため、組織のパフォーマンスにも悪い影響を与えそうです。また、一部のメンバーばかりが重要な仕事を任される、新たな挑戦の機会を与えられるような組織は、組織の一体感を損ない、また、メンバー全員の力を十分に引き出すという点からも、組織運営の点ではマイナスになると考えられます。
 
対象企業が従業員に行っているアンケートの中から「あなたの職場は、情報が共有され、公平に活躍の機会が与えられている」(以下、情報の共有・公平感)という設問に注目して、営業成績との関係を分析しました。情報の共有・公平感のメンバーの平均値により、営業拠点の上位25%・下位25%を抽出し、それぞれの営業目標の達成状況を比較したところ、上位25%の営業拠点の方が下位25%のグループに比べて営業目標の達成率(達成するかしないか)が高いとの結果が得られました。図6-1は、2016年度の情報の共有・公平感上位25%・下位25%の営業拠点の営業成績が翌年度以降どのように推移したかを示したものです。図6-2では2019年度の上位25%・下位25%の推移を示しています。また、因果推論の手法を用いたところ情報の共有・公平感のスコアが高いと営業目標を達成する可能性が高くなるとの因果関係が推計されています。
 

 
組織が力を発揮して生産性を高めるために、メンバー全員に必要な情報が行きわたり、公平感を感じて業務に当たる重要性が確認できました。テレワークの拡大など働き方の柔軟性を高めようとする企業が増えています。働き方の柔軟性を高めつつ、生産性の向上を実現するためには、情報の共有、メンバーの公平感は益々重要な要素になる可能性があります。
 

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